第25回世界遺産委員会ビューロー会議(速報)


パリのユネスコ本部で第25回世界遺産委員会ビューロー会議(6月25日〜30日)が開催されました。

     1)バーミヤン石仏(アフガニスタン)の破壊についての討議 
     2) 世界遺産の保全状況の報告 79物件 
     3)新登録候補50物件の審議(審議対象物件:2000年7月1日までの登録申請分)
     <地域別>    アフリカ 4物件
                 アラブ 2物件
                 アジア・太平洋 5物件
                 ラテンアメリカ及びカリブ諸国 3物件
                 ヨーロッパ・北米 35物件 
     <遺産種別>   自然遺産 14物件
                 文化遺産 32物件
                 複合遺産 4物件 

尚,初出国は,ボツワナ, ガイアナ,イスラエルの3国ですが,ガイアナのカイエトゥール国立公園については,残念ながら,12月の世界遺産委員会には推薦されないことになりました。

既登録物件の登録範囲の延長・拡大については,7物件が審議の対象になったと報じられています。

今回,日本からの推薦物件はありません。

アジア・太平洋地域からは,ラオスのワット・プー遺跡,中国の雲崗石窟,そして,ウズベキスタンのサマルカンドなどの名前があがっています。

近隣諸国では,ロシア連邦の沿海地方の自然の宝庫,中央シホテアリニがNatural Complex "Central Sikhote-Alin"として,複合遺産の候補として名前があがっています。それに,カムチャッカの火山群(Volcanoes of Kamchstka 自然遺産 1996年登録 「世界遺産ガイドー北欧・東欧・CIS編ー」参照)の登録範囲の延長・拡大(新たに生物多様性の価値が高いクリュチェフスカヤ自然公園を追加)が申請されています。


また,ドラマティックな山岳景観を誇る世界的にも有名なドイツ,オーストリア,フランス,イタリア,スロヴェニア,スイスの6か国にまたがるアルプス山脈のうちスイスのユングフラウ,アレッチ,ビエッチホルンが自然遺産として世界遺産に登録されることが期待されています。 まずは,スイス側からということになるようですが,世界遺産登録が実現すれば,世界遺産化運動の開始から実に20年の歳月がかかったといわれています。

最終的には,本年12月11日から12月16日までフィンランドのヘルシンキ開催される第25回世界遺産委員会で登録の可否が決まりますが,最終的な新登録物件は,30〜40物件になるものと当シンクタンクでは見ております。

新たに登録される物件は,申請,専門家の評価,会議での審議のあらゆる段階で厳選されていく傾向にあり,世界遺産にふさわしいあらゆる分野や地域を代表するものがグローバル・ストラテジーの一環として求められています。

一方,イスラエルとパレスチナの紛争がますます激化しているエルサレム(旧市街と城壁は,1981年にヨルダン推薦物件として登録)について,イスラエルから登録申請がなされていますが,その帰趨について,世界遺産委員会の対応が注目されるところです。    

尚,1995年11月に発刊した初版から数えると第7版目になりますが,12月に決まる新登録物件を網羅した当シンクタンク発行の「世界遺産データ・ブックー2002年版ー」は,2002年1月に発刊予定です。




この夏は,世界遺産の全登録物件690物件のプロフィール・データの更新作業を行いました。
これに伴い,2年前に発刊した既刊の「世界遺産事典―関連用語と情報源」も「世界遺産事典―関連用語と全物件プロフィールー2001改訂版」として,3年前に発刊し大学等での講義教材としても使用されている「世界遺産Q&A−世界遺産化への道しるべ」は,「世界遺産Q&A−世界遺産の基礎知識―2001改訂版」として,9月初旬に改訂版を発刊致しました。ご注文は,当シンクタンク事務局まで,ファックス(082-278-2701),或は,電子メール(sri@orange.ocn.ne.jp)で,お申込み下さい。













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