2023年の回顧と2024年の展望






  各 位

 2023年は、コロナ禍の終息に向かいながらも、マスクが必要なライフスタイルが続きましたが、当シンクタンク、そして、世界遺産総合研究所にとって、これまで、パラレルに研究を進めてきたユネスコの「世界遺産」、「世界無形文化遺産」、「世界の記憶」を、「ユネスコ遺産」に総合化、統合化する試みを、更に進化させると同時に、新たな一歩を踏み出せた年だったと自己評価しています。

 そのベースになったのが、一昨年来、出版した「世界遺産シリーズ」三部作(各432頁×3=1296頁)で、世界遺産、世界無形文化遺産、世界の記憶を研究する専門家の皆さんからも、一定の評価をいただきました。

 「ユネスコ遺産ガイド ―世界編― 総合版」(2022年2月)
 「ユネスコ遺産ガイド ―日本編― 総集編」(2021年4月)
 「世界遺産ガイド ―未来への継承編―」(2020年10月)


 昨年の2022年は世界遺産条約が1972年に採択されてから50周年になる記念の年でしたが、ロシア・ウクライナ戦争が起きたこともあり、2022年6月19日~30日にロシア連邦の世界遺産都市カザン市で開催予定であった第45回世界遺産委員会が延期になり、2023年9月にサウジアラビアの首都リヤドで開催されることになり、久しぶりに、オブザーバー・ステイタスで参加しました。

 長年、ユネスコ遺産を研究してきたこともあって、ウクライナの為に何かできないかを考えた結果、ウクライナにあるユネスコの世界遺産、世界無形文化遺産、世界の記憶を特集した「世界遺産ガイド―ウクライナ編―」を、昨年、出版しましたが、サウジアラビアについての文献もわが国では少ないこともあって、少部数でありますが、「世界遺産ガイド-サウジアラビア編-」を出版致しました。何らかのお役に立てれば幸いです。

 同様に、イスラエルとパレスチナの世界遺産も特集することを、現在、検討中です。かけがえのない文化遺産が爆撃等で失われつつあるからです。これらも、危機遺産リストへの緊急登録が急がれます。

 今年も、公私を問わず、「整理」、「整理」の一年でした。「整理」は、今後も続けてまいります。


 私のfacebookでの2023年の公私にわたるライフイベント(順不同)を下記します。



●20231223 Xmas EVE EVE LIVE
●20231219- 「青春18切符」でベートーヴェン「第九」日本初演の地などを訪ねる2泊3日の旅

 
20230518-23 新「沖縄プロジェクト」第一弾56日の旅

20231209 中国新聞朝刊 社説の隣の「オピニオン」のコーナー

●沙羅の森 Sing Sing Sing

20231211-13 青春18切符での石川県加賀市・福井県あわら市・滋賀県大津市

「蓮如上人」ゆかりの地を訪ねる23日の旅

●第九ひろしま2023(中国放送と中国新聞社の主催)

●広島メンネルコール第52回定期演奏会

●琉球新報 本日611日(日曜日)の朝刊 「論壇」

●春の♪街角コーラスふぇすた2023

20230608-13 新「沖縄プロジェクト」第ニ弾56日の旅

20230428新潟日報 朝刊「輝ける島へ 佐渡 世界遺産の行方」

20230416-18 沖縄でお世話になった友人をアテンド

20230414-16 「柳河を柳川で歌う会」に参加

20230412-13 親鸞聖人御誕生850年立教開宗800年慶讃法要

安芸教区安芸南組団体参拝の旅

20230403-05 「青春18切符」+「全国割」長門・萩・山口 

お墓参りなど23日の旅

20230316-21 秩父路(日本百番観音・秩父三十四観音)への旅

20230219-22 圓山大飯店(本館)にも泊まる台湾縦断34日の旅

●ユネスコ遺産ガイド -東南アジア諸国編- 発刊

●第48回呉混声合唱団定期演奏会 あゆむ歌の会のメンバーとして出演


<新聞・テレビ>

2023年11月17日 日本テレビ「小5クイズ」モアイ像に関する情報提供2023年7月4日(火)関西テレビ「彦根城・飛鳥藤原 世界遺産登録の行方」
2023年6月11日(日)琉球新報 朝刊 論壇「戦跡巡り、沖縄」の在り方を考える。真の自立への転換今こそ。
2023年4月28日(金)新潟日報 朝刊29面 輝ける島 佐渡 世界遺産の行方。

※中国新聞のオピニオンのコーナーでの掲載は十年ぶりの三度目で、大変、嬉しく思いました。
 地元紙の「中国新聞」には、これまで、大変お世話になりました。感謝です。中国新聞朝刊「【今を読む】世界遺産 日本初登録30年 保全措置の進化が求められる」
(2023年12月9日)
中国新聞朝刊 オピニオン【言】「富士山登録 浮かれずに」(2013年7月17日)中国新聞朝刊【今を読む】「世界遺産条約40年の節目」(2012年6月19日)
<講演>
2023年11月2日・3日中国・湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州の 
湖北民族大学民族・社会学学部と外国語学部での講演

※中国での講演は、下記に続いて四度目、7年ぶりです。

2003年3月の重慶市の国立西南師範大学(現在は西南大学) 客員教授
2004年9月の重慶市の国立西南師範大学(現在は西南大学) 客員教授

2016年10月21日の浙江省杭州市人民政府による第一回中国大運河国際サミット

<出版活動>

 紙媒体での出版は、企画、取材、編集、整理、組版、印刷、製本、流通、販売と読者に届くまでに、多くの手間と多くの方々のご協力がなければ成り立ちません。デジタル化の進行で、出版環境にも大きな変化が起こりつつあります。
 
 基本的に「本が売れない」時代になりました。パソコン、インターネット、携帯電話などの普及で、ニュースなど様々な情報を紙媒体である新聞や書籍を読まなくても調べることが出来る様になっているからです。


 本が売れない時代に一般受けしない専門書を小出版するのは大変勇気がいります。しかし、大学の教科書に、毎年、採用してくださる先生方もおられます。これまで3度、<出典>として、大学や高校の入学試験問題に出題されたタイトルもありますので、取材、編集等の作業には、大変気をつかいます。

 2023年の出版実績は、9タイトル、通算270タイトルになりました。

 なかでも、「ユネスコ遺産ガイド-東南アジア諸国編-」は、アセアン各国の世界遺産、世界無形文化遺産、世界の記憶を総集、432頁になりました。これからの、わが国の外交関係を考えた場合、東南アジア諸国の各国とのパートナーシップはきわめて重要になると考えているからです。

 また、9月に参加した第45回世界遺産委員会リヤド会議で訪問したサウジアラビアの世界遺産を特集し「世界遺産ガイド-サウジアラビア編-」を出版しました。わが国では、サウジアラビアに関する文献がきわめて少ないこと、また、これからの日本からサウジアラビアへの観光に参考になればという思いからです。

 生涯目標の200タイトルは、2016年、7年前に達成しましたが、より良い作品を創作する為には、玉石混淆ではあっても、より多くのものを実際に自分自身の眼で見て、その違いや共通点を認識することが大切だと考えています。



 1990年12月に「都市の再生戦略-創造的な都市づくり・街づくりへの指針-」を創刊以来、2020年12月の「」の発刊で、通算270冊の本を世に送り出してきました。

 この間、メディア環境も大きく変化し、電子出版などデジタル化も進行しています。

 本が売れない出版業界のなか、発行部数が少ないこともあって、今では、絶版、希少本になっているものも少なからずあります。

 しかし、「世界遺産シリーズ」の「世界遺産入門」と「世界遺産ガイド」、「ふるさとシリーズ」の「誇れるガイド」は、大学、高校、中学などの入学試験問題の出典に取り上げられたこともありました。

 また、これまでの調査研究成果を、国内外の大学等の「授業」や各地での「講演」など学校教育や社会教育にも反映してきました。

 激変するメディア環境のなかで、全ての既刊の出版物、それに、製作の過程で蓄積してきた画像、地図、テキストなどの膨大なコンテンツを電子化し、データベース化もしていますので、後世においても、「
1990年代~2010年代の世界の重要な自然と文化の記憶」の一つとして活用されるように、記録の保存と整備も同時に進めています。

 今後も、これらが情報源や底本となるように、他の媒体等との連携を進めていくと共に古田陽久の後継者たちの育成にも努めていきたいと考えています。

 これまでの既刊本は、すべて、国立国会図書館(National Diet Library)の東京本館<東京都千代田区永田町>や関西館<京都府相楽郡精華町>に所蔵されていると共に小さな小さな「古田記念館」でも記念に残したいと考えています。

 また、身近な市町村の公共図書館、大学や高校などの学校図書館、各種資料館等でも見られるように、皆さまの、ご支援、リクエストをお願いしたいと思います。


<国内外からのホームページへのアクセス数>

 1997515日に開設した私共のホームページ「世界遺産と総合学習の杜」。国内外からのアクセス数は、2023年12月20日現在、通算約1312627になりました。

 今後もコンテンツの充実に努めて、役立つ情報源にしていきたいと思います。


<個人関係>


【facebookでの自己紹介】

世界の69か国、約300の世界遺産地を歴訪、著書に「世界遺産」、「世界無形文化遺産」、「世界の記憶」の各データ・ブックなど、全国各地での講演、テレビ出演も多数。
HP:「世界遺産と総合学習の杜

<コーラス>

 7年前の
2015年以来、コーラスやカラオケも始めました。歌はそんなに上手くありませんが、音楽を通じての情景や情感を楽しんでいます。日本の唱歌、昭和歌謡など「日本の歌」を中心に
歌える歌200曲をめざしています。

 「日本の歌」と言えば、昔、中央アジアのウズベキスタンのボイスンというところに行った際に、現地の人と交流、「日本の歌」を歌ってくれと言われた時に戸惑ったことを思い出します。

 これまでのコロナ下、広島市の中央公民館での月5回、広島市立美鈴が丘公民館での月2回の歌の練習などをベースに、「広島メンネルコールの定期演奏会」や「広島合唱フェスティバル」、それに、「呉混声合唱団定期演奏会 あゆむ歌の会」などでの
発表も励みになっていましたが、2023年の定演を機に退団しました。合唱についてはベートーヴェンの「第九」に収斂させていけれればと思います。

 ピアノやフルート等の楽器演奏とのコラボレーションも良いものですが、これからは、独唱に磨きをかけれればと思います。

 「歌」は、広島、呉、竹原の仲間へと広がっていきました。知らない地でも、知らない人たちとも「歌」は共通の言語の様に共有できる様に思います。

 2024年も時間の許す限り、地球的、人類的な視野に立って、世界の時流を読みつつ、世の中に役立つシンクタンクの舵取りを引き継ぎも兼ねて後継者と共に、世界遺産総合研究所を中心に展開してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 長期的には5年、中期的には3年、短期的には1年を視野に入れて、これまでに蓄積してきた知識と経験の集大成と利活用、応用と発展が課題ですが、私の後継者の育成、引き継ぎも大きな課題です。

 昨年も書きましたが、世界の各地を歩いてみて思うことは、ここ30年、日本の国力や国際競争力が急速に低下している事を色々な面で感じています。政治家や当該分野の指導者の責任かもしれませんが、あらゆる分野において、相当、気を引き締めていかないと、国力や国際競争力は、低下していくばかりです。

 国家とは何なのか、少子高齢化・人口減少対策、離婚の増加、家族の崩壊、危険性のないエネルギー政策への転換、尖閣諸島、竹島、北方領土などの領土問題、国防のあるべき姿、国家や地方の財政の健全化、国際援助の見直し、政権を担う当事者は、もっと真摯に真剣に取り組まないと、わが国は取り返しのつかない事態に陥ることを大変憂慮しています。

 一方、団体主義的風土が陥りやすい意思決定のメカニズムの弊害が様々な局面で露呈、右往左往し迷走しているようにも思えます。


 地方あっての中央ですが、地方の創成と再生は、喫緊の課題ですが、私のライフワークである「ユネスコ遺産」(世界遺産、世界無形文化遺産、世界の記憶)は、地方の活性化や地域の振興を図っていく上での、普遍的で効果的なテーマであると考えています。

 世界遺産条約の目的は、かけがえのない世界遺産を、あらゆる脅威や危険から守っていくこと、また、その為の国際的な援助の体制をつくっていくことが大切なのですが、文化財の保存や修復など理工学的なアプローチに傾斜し過ぎてきた様にも思います。

 自然遺産や文化遺産への脅威や危険、これらへの対策については、理工科学的な知見も重要なのですが、人為的な脅威や危険については、政治や経済など社会科学的な見地からのアプローチが最も重要であり、地球と人類の遺産を守っていく仕組みやメカニズムなどは既成の概念や価値観にとらわれないパラダイムの転換が必要なのかもしれません。

 2024年も、異文化である「洋の文化」、日本らしい「和の文化」、そして、「和洋折衷の文化」などその違いや類似する点などを認識できる文化空間を充実させ、固定観念や先入観にとらわれない「交流」と「対話」を重ねていきたいと考えています。

 「世界の記憶」(旧世界記憶遺産)については、20181月に、データブックの改訂版である「世界の記憶データ・ブック」(世界記憶遺産データ・ブックから改名)の20172018年版を発刊しましたが、類書が無いに等しい為、根強いニーズがあり、改訂版として「世界の記憶データブック-2023年版」を出版しました。

 また、2015年7月には幻冬舎から「世界の記憶遺産60」を出版したことでもあり、人間、人類、世界、地球などの「記憶」や「記録」についての調査研究を、今後も深化させ、充実させていきたいと考えています。


 なにはともあれ、心身共に健康が第一、無理をせず、自然体、ボランティア精神で、報恩謝徳につとめてまいります。また、何はともあれ、後継者を立派に育成し継承していくことが大きな課題であると考えています。引続きご支援をお願い致します。

 コロナ禍で日常生活が「不自由」になるなか、改めて、当り前だと思っていた「自由」な生活の有難さを再認識しています。

 私の郷里の呉市(広島県)においても、気のせいなのか、シャッターをおろしているお店が増えている様な気がします。それでなくても、高齢化で空地や空家が目立ちますが、一方において、東京等からの移住してきた若者に出会うこともあります。何で生活していくか、就業や起業がし易い環境をつくってあげることが必要なんだと思います。

 今年の課題は「詞」(ことば)の研究の深化です。昨年に続き、作詞の勉強をしてみたいと思います。

 それと、本が売れない時代ですが、「ユネスコ遺産」(世界遺産1199件、世界無形文化遺産730、世界の記憶496)の研究も更に深化させていきます。2425件のモニタリングも大変です。

 なにごとにおいても、結果はともあれ、最善を尽くすことです。ベストを尽くせば後悔をすることはありません。後片付けをしながら、前向きにどんどん前へ進みます。それが、私が生きている信条であり信念なのです。但し、生来、正義感が強いのか、諸悪は退治します。


 昨年と同様に、下記のいわゆる『福澤心訓』(諸説ありますが)、良い言葉なので、引用しておきます。

  心訓

 一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。
 一、世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。
 一、世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。
 一、世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。
 一、世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩にきせない事です。
 一、世の中で一番美しい事は、全ての物に愛情を持つ事です。
 一、世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。



                                            

                          2024年1月1日  古田 陽久

 
 


















世界遺産と総合学習の杜に戻る
出版物ご購入のご案内に戻る
出版物のご案内に戻る
シンクタンクせとうち総合研究機構のご案内に戻る
21世紀総合研究所のご案内に戻る
世界遺産総合研究所のご案内に戻る
世界遺産情報館に戻る 
誇れる郷土館に戻る