世界遺産入門-平和と安全な社会の構築-








世界遺産入門-平和と安全な社会の構築-  
著者 古田陽久古田真美
企画・編集 世界遺産総合研究所
発行 シンクタンクせとうち総合研究機構
定価 本体2600円
ISBN 978-4-86200-191-7
発行 2015年5月20日
判型 A5
頁数 144ページ

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【本書の特色】世界遺産を通じて「平和」と「安全」な社会の大切さを考える

当シンクタンクの世界遺産入門シリーズでは、19984月に「地球と人類の至宝」、20032月に「過去から未来へのメッセージ」、20074月に「ユネスコから世界を学ぶ」を副題に取り上げてきた。本年は、戦後(被爆)70周年、ユネスコ憲章採択70周年、改めて「平和」と「安全」な社会の大切さを再認識する節目の年にしたい。




目  次】

  

  はじめに 3

  ユネスコとは  7

              ユネスコとは 8
              ユネスコ憲章 8
              ユネスコの目的と活動領域 8
              ユネスコの主要機能 9
              ユネスコの加盟国(加盟国195、準加盟地域9)とユネスコ遺産の数 10
              ユネスコの機関 14
              ユネスコの事務局 15
              ユネスコの財政 16
              日本ユネスコ国内委員会 17
              民間のユネスコ活動 17 
              ユネスコの文化面での近年の活動 17 
              日本の貢献 17 

 

 ■世界遺産とは 31

              世界遺産とは 32
              世界遺産の種類と数 33

                (1)自然遺産とは 33
                (2)文化遺産とは 34
                (3)複合遺産とは 36

              世界遺産の現状 37
              世界遺産の登録要件と登録手順 37

                (1)必要十分条件 37
                (2)担保条件 38

              世界遺産の価値の評価区分と登録区分 38
              世界遺産登録のメリットとデメリット 39

                (1)世界遺産登録のメリット 39
                (2)世界遺産登録のデメリット 39

              日本の世界遺産の現状 40

                (1)日本の世界遺産 40
                (2)世界遺産暫定リスト記載物件 40
                (3)今後の登録推薦物件 41

 

  危機遺産とは 83

              危機遺産とは 84
              世界遺産を取り巻く脅威や危険 86

                (1)固有危険 86
                (2)社会環境の変化 86
                (3)自然災害 87
                (4)人為災害 87
                (5)地球環境問題 87

              危機遺産対策こそが世界遺産条約の本旨 87

  世界遺産の保存管理と利活用 101

              世界遺産の保存管理 102
              世界遺産を活用した地域振興 103

                (1)教育 103
                (2)観光 104
                (3)地域づくり・まちづくり 104

              ■コラム クルーズ船での世界遺産の旅のすすめ 105

 

  世界遺産の今後の課題と展望 113

              世界遺産のこれから 114
              世界遺産の持続可能な発展 115

                (1)世界遺産の6つの将来目標 116
                (2)世界遺産条約履行の為の戦略的行動計画 20122022 116

  世界遺産学のすすめ 123

              世界遺産は時空を超えた地球と人類の至宝 124
              世界遺産学のすすめ 124
              世界遺産学は総合科学 125
              世界遺産学からユネスコ遺産学へ 125

  備考 世界無形文化遺産、世界記憶遺産との連携  127


              世界遺産、世界無形文化遺産、世界記憶遺産との違い 128


  おわりに 138





はじめに

 

 当シンクタンクの世界遺産入門については、これまで、19984月に、「地球と人類の至宝」、20032月に、「過去から未来へのメッセージ」、20074月に、「ユネスコから世界を学ぶ」を副題にしてきました。

 3年前の2012年は、ユネスコが1972年に世界遺産条約を採択して40年、日本が世界遺産条約を締約して20年となる節目の年でした。世界遺産条約の持続可能な発展の為には、地域社会が世界遺産とどの様に向き合っていくのか、その果たすべき役割のあり方が問われました。

 世界遺産とは、ユネスコの世界遺産条約に基づいて、「世界遺産リスト」に登録された自然遺産や文化遺産のことで、20154月現在、自然遺産が197、文化遺産が779、自然遺産と文化遺産の両方の登録基準を満たす複合遺産が31、合計1007件が登録されています。

 世界遺産条約が採択されたのは、1972年のユネスコ総会で、地球上の「顕著な普遍的価値」を有する自然景観、地形・地質、生態系、生物多様性などの自然遺産、人類が残した遺跡、建造物群、モニュメントなどの文化遺産を自然災害や人為災害などあらゆる脅威や危険から守っていく為の国際的な保護条約のことです。

 「顕著な普遍的価値」とは、必要条件として、世界遺産の登録基準を最低1つ以上満たしていることとその根拠の証明、十分条件として、真正で完全であること、他の類似物件との比較において比類ないものであること、担保条件として、登録遺産の長期的な保存管理計画の策定が求められています。

 「世界遺産リスト」には、自然と文化の各分野を代表する多様な物件が登録されていますが、近年は、専門機関のIUCNICOMOSの事前審査も厳選化の傾向にあります。専門機関からの勧告内容を基に「世界遺産リスト」への登録の可否を最終的に決めるのは、毎年定期的に開催される、21か国の締約国からなる世界遺産委員会で、グローバルな視点からの審議が行われます。

 世界遺産条約を締約しているのは、現在、191の国と地域ですが、日本が世界遺産条約を締約したのは1992年で、世界で125番目でした。日本の世界遺産で最初に「世界遺産リスト」に登録されたのは1993年で、「法隆寺地域の仏教建造物」(奈良県)、「姫路城」(兵庫県)、「屋久島」(鹿児島県)、「白神山地」(青森県・秋田県)の4件が登録されました。

 日本にあるユネスコの世界遺産の数は、20154月現在、自然遺産が4、文化遺産が14、合計18で、複合遺産はまだありません。日本の世界遺産の数は、国際的に見ると、世界で第13位、アジア地域では、中国、インドに続いて、第3位です。

 今年2015年は、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」(岐阜県、富山県  1995年登録)が世界遺産登録20周年、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」(沖縄県  2000年登録)が15周年、「知床」(北海道  2005年登録)が10周年を迎えます。

 世界遺産になることによる最大のメリットは、長期的な保護や保存の為の管理計画を策定しなければならないこともあり、万全の保護や保存の為の管理体制が構築されること、また、世界遺産登録後も多くの人の監視(モニタリング)の目にさらされることもあり、良いものが更に良くなる好循環の保存管理システムが機能し、「世界に誇れるまち」になっていくのだと思います。

 世界遺産地の観光客の数も、世界遺産登録前後の数年は、一般的には増加傾向になりますが、持続性を可能にする為には、遺産そのものの魅力をどの様に引き出していくか、その盛衰は地元の工夫と努力にかかっています。

 世界遺産地は、常に、開発圧力、観光圧力、環境圧力など多様な脅威や危険にさらされています。20113月の東日本大震災に代表される様に、予測不可能な災害に見舞われることもあり、顕在化している危険だけではなく、潜在的な脅威や危険にも対応できる危機管理体制の構築も必要であり、戦争のない平和な社会、それに、テロ事件などの危険のない安全な社会であってこその世界遺産なのです。

 2015年は、「明治日本の産業革命遺産-九州・山口と関連地域」(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、山口県、静岡県、岩手県の8県)、そして2016年は、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県と熊本県)と「国立西洋美術館本館」(7か国にまたがる「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産の一つ)の世界遺産登録の実現が期待されています。

 2015年は、第二次世界大戦が終結して70年になる節目の年です。本書は、世界遺産入門シリーズの第4弾として、「平和と安全な社会の構築」を副題に掲げます。

 

 20155                

                                                 世界遺産総合研究所 古田陽久





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